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都筑 和泰; 篠原 孝司; 神谷 健作; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 栗田 源一; Bakhtiari, M.; 小川 宏明; 星野 克道; 河西 敏; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.721 - 725, 2004/08
被引用回数:7 パーセンタイル:45.11(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化フェライト鋼は核融合原型炉のブランケットの有力な候補材料であるが、強磁性体であり不純物の吸蔵量も大きいことから高性能プラズマとの共存性の実証が不可欠である。JFT-2Mにおいては、原研炉のブランケット壁を模擬するため、真空容器の内壁全面にフェライト鋼を設置し、適合性試験を行っている。プラズマ生成,制御に関しては、フェライト鋼によって生成される磁場が、外部磁場の10%程度であることを示し、トカマクプラズマが既存の制御系で生成可能であることを示した。さらに、原型炉においても、制御に対する影響はJFT-2Mと同程度と予測されることを示した。また、原型炉で想定されている高規格化ベータプラズマに対する適合性を調べる実験を行い、フェライト鋼壁の存在下でも壁無しの安定化限界に近い、規格化ベータ3.3程度のプラズマが生成できることを実証した。この配位をベースにしてプラズマを全体的に弱磁場側の壁に近付けたところ、ディスラプション直前のモードの成長速度が壁の時定数程度(数ms)まで低減した。これは壁安定化効果の存在を示唆する。その他、低ベータでのロックトモード,Hモード遷移等にも悪影響は観測されておらず、フェライト鋼の原型炉への適用に対し、明るい見通しを与える結果が得られた。
都筑 和泰; 木村 晴行; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 神谷 健作; 篠原 孝司; 小川 宏明; 星野 克道; Bakhtiari, M.; 河西 敏; et al.
Nuclear Fusion, 43(10), p.1288 - 1293, 2003/10
被引用回数:39 パーセンタイル:74.23(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mでは、原型炉のブランケット構造材料の候補である低放射化フェライト鋼とプラズマとの適合性を調べる実験を進めてきている。昨年度にはフェライト鋼内壁を真空容器内に全面的に設置する作業を行い、今年度より実験を開始している。プラズマ生成,制御は問題なく行われ、金属不純物の放出も検出限界以下であった。改善閉じ込め(Hモード)も実現され、そのしきいパワーもこれまでと同等であった。プラズマ安定性に関してもこれまでの所悪影響は観測されておらず、規格化が3を超える放電との共存性も示された。高速イオンのリップル損失に関しても顕著な低減が実証された。以上のように、フェライト鋼の悪影響は小さく、有望な結果を得ている。JFT-2Mでは、その他にも先進的、基礎的な研究を行っている。先進的粒子供給手法であるコンパクトトロイド(CT)入射実験においては、再現性よくプラズマ中へ入射が行われ、CT入射に伴う密度の急上昇が初めて明確に観測された。
松川 誠; 石田 真一; 逆井 章; 浦田 一宏*; 仙田 郁夫*; 栗田 源一; 玉井 広史; 櫻井 真治; 三浦 友史; 正木 圭; et al.
Fusion Engineering and Design, 66-68(1-4), p.703 - 708, 2003/09
被引用回数:2 パーセンタイル:19(Nuclear Science & Technology)本論文は、完全超伝導コイル化したJT-60装置(JT-60SC)における、プラズマ断面位置形状制御について述べるものである。基本的には、トロイダル磁場コイルの周辺に設置した超伝導ポロイダル磁場コイル(EFコイル)に低速なプラズマ断面形状位置制御を、また真空容器内に設置した常伝導コイルに高速な垂直・水平位置の制御を分担させるハイブリッド制御である。EFコイルの制御電圧は、いずれのコイルでも周回電圧で数V以下と非常に小さく、容器内コイルでさえ高々数10Vである。しかしながら、これにより十分な制御応答性の確保と電源容量の最小化が実現できることが、線形化グラッドシャフラノフ方程式を用いた数値シミュレーションにより示された。
板垣 正文*; 栗原 研一
日本原子力学会誌, 44(12), p.873 - 878, 2002/12
最近、逆問題という言葉をよく耳にする。これは,観測されるデータに基づいて、その現象をもたらした原因を探る問題である。このような発想は原子力の黎明期においても見られるが、近年、計算機の性能向上と数値解析研究の進展により、逆問題は新しい学際領域として脚光を浴びている。本稿では逆問題及び逆解析の平易な概説を試みるとともに、最近のホットな話題も含めて原子力分野におけるいくつかの逆解析の例を紹介する。
仙田 郁夫; 荘司 昭朗; 常松 俊秀
Nuclear Fusion, 42(5), p.568 - 580, 2002/05
被引用回数:4 パーセンタイル:14.34(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク型核融合装置の設計においては、プラズマ位置・形状制御の解析評価が、真空容器などの構造物や制御用パルス電源の設計に大きな影響を与える。特にITERのような燃焼プラズマ実験を行う装置では、プラズマ対向機器の保護やプラズマ性能の向上のために、プラズマ位置形状の制御系が重要な役割をはたす。このような制御系の設計のためには、プラズマの振まいを正しく記述する解析コードが必要である。本論文では、線型化されたグラドーシャフラノフ方程式の解法を導き、この解を用いて、プラズマ平衡配位の線型的時間発展を記述する方程式を求めた。さらに、プラズマ安定化を示す重要な指数である、不安定性の線型成長率を、本論文の手法及びこれまで用いられて来た剛体プラズマモデルで求め、本論文の手法で得られる成長率の方が大きいことを示した。ITERでは、この差が有意な違いを制御系設計に与える。
草間 義紀
Advanced Diagnostics for Magnetic and Inertial Fusion, p.31 - 38, 2002/00
「先進トカマクモード」とは、小型で核融合出力密度が高く、かつ定常運転が可能である魅力的な核融合炉の概念を構築できる可能性のあるトカマクの運転モードである。プラズマ制御の役割は、この先進トカマクモードへの安定でかつ再現性の良いルートを構築し、それを定常的に継続することである。そのためには、プラズマのとじ込め,安定性及びプラズマ電流分布を同時に最適化する必要があり、加熱・電流駆動,プラズマ形状制御,燃料注入の制御によりプラズマの圧力,電流分布を制御することが重要な課題である。電流分布等,各種の分布計測が不可欠で、制御用の計測として用いるためには、高い信頼性及び測定精度,十分な時間及び空間分解能,実時間でのデータ処理など,通常の計測以上の要件が求められる。JR-60での計測・制御の開発について述べるとともに、今後の課題を示す。
逆井 章; 石田 真一; 松川 誠; 栗田 源一; 秋野 昇; 安藤 俊就*; 新井 貴; 市毛 尚志; 神永 敦嗣; 加藤 崇; et al.
Proceedings of 19th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE), p.221 - 225, 2002/00
コイルの超伝導化を主体とするJT-60改修の工学的設計研究を行った。JT-60改修の目的は、原型炉の経済性・環境適合性向上を目指した高性能プラズマの定常運転技術、及び低放射化材料の利用技術の確立である。JT-60改修では、定常化運転に向けて高プラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱・粒子制御,ディスラプション制御に関する研究課題が設定された。これを実現するために必要な装置,機器の検討を行った。トカマク放電を長時間(100秒)維持するために必要な超伝導トロイダル磁場コイル(TFC)には、高銅比4のNbAlケーブル・イン・コンジット導体を採用することにより高い電流密度の性能が得られ、コンパクトなTFCの設計を可能にした。また、低放射化フェライト鋼製の安定化バッフル板やリップル低減用フェライト鋼の配置及び直接冷却ダイバータ構造体等を検討した。
栗原 研一
Fusion Engineering and Design, 51-52(Part.B), p.1049 - 1057, 2000/11
被引用回数:64 パーセンタイル:95.86(Nuclear Science & Technology)トカマク・プラズマの断面形状は、必要条件を満たす外部の電磁気センサだけから同定できることは以前に示した。これにより、ほかの方法は理論的な裏付けが弱かったり粗い近似で精度が悪いなど本質的問題を含むことが確認されたものの、先の必要条件を満たすようにセンサを製作・設置し直すことも既存の装置では難しい。そこで理想的な必要条件を満たしていない種類と数のセンサであっても、その状況で達成可能な限りの高精度で断面形状を再構築する方法の開発を実施した。この結果、マクスウェル方程式の解析解に現れるプラズマ中の仮想曲面上での境界条件として、磁束と磁場を独立に規定する「コーシー条件」を、電磁気信号から最小2乗法的に計算するという新方式を開発し、理論的裏付け、精度、安定性、実時間高速性、使用センサ種類のどの点でも優れていることを明らかにした。本発表はこれら一連の新方法開発の報告である。
小関 隆久; 飯尾 俊二*; 芳野 隆治; 嶋田 道也; 藤沢 登; 海老澤 克之*; 伊尾木 公裕*; 中村 幸治; 徳田 伸二; 林 伸彦
プラズマ・核融合学会誌, 76(7), p.694 - 696, 2000/07
2000年1月に原研・那珂研究所で開催された、ITER物理R&D専門家会合について報告する。「MHD・ディスラプション・プラズマ制御」についての専門家会合が、日米ワークショップ「トロイダルプラズマにおける高ベータでのMHD安定限界」と同時に行われた。会合では、(1)新古典テアリングモード,抵抗性壁モードなどのMHD安定性、(2)ディスラプション時の逃走電子の発生、(3)プラズマ平衡制御モデル、に関して発表や討議・検討が行われた。その概要を紹介する。
鎌田 裕
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(5), p.A65 - A80, 2000/05
被引用回数:48 パーセンタイル:78.65(Physics, Fluids & Plasmas)核融合プラズマで見いだされている種々の輸送障壁について、その発生条件と制御に関するレビュー論文である。トカマク及びステラレータで見られる内部輸送障壁を、イオン系及び電子系に分けて論ずる。また、有理面の役割及び磁気シアの加熱パワーしいき値に対して論ずる。能動的輸送障壁制御手法として、回転分布制御の可能性について論ずる。さらに、各国トカマクで得られている定常高性能放電のレビューを含める。
栗原 研一; 川俣 陽一; 秋葉 賢一*; 三浦 友史; 赤坂 博美; 安達 宏典*; 星 芳幸*; 福田 武司; 及川 聡洋
IEEE Transactions on Nuclear Science, 47(2), p.205 - 209, 2000/04
トカマク型核融合開発は実験炉段階を迎え、既存の実験装置は一層魅力的な運転シナリオ(高性能プラズマの長時間・定常維持、プラズマ不安定性の回避、ほか)を見いだすことが期待されている。これを受けてJT-60プラズマ実時間制御システムを全面的に再構築する作業に着手しており、以下の新たな設計方針3点を採用した。すなわち、(1)電流分布等の空間2次元の時系列データを計測量をもとに再構成し、実時間制御に使用可能にする、(2)適切な制御用アクチュエータを実時間制御のフレームに組み込む、(3)さまざまな制御方法を試すことが柔軟かつ迅速にできるようにする、の3点である。これらの実現のために、大容量メモリーを搭載した超高速ボード計算機を共有メモリーネットワークで結合するという基本構成を採用した。また機能的には様々な先進的な帰還制御方法が計画されている。本発表はこれら一連の新システム開発の報告である。
栗原 研一
プラズマ・核融合学会誌, 76(1), p.65 - 82, 2000/01
トカマク型核融合炉装置を用いた実験では、プラズマの平衡状態(電流分布・位置・形状等)が、エネルギー閉じ込め性能と強く相関を持っているうえ、真空容器内に設置された装置機器の健全性を損なう要因にも成り得るため、その状態の高精度把握及び制御が必要不可欠な要素である。このプラズマ平衡の実験解析について、おもに電磁気計測信号から求めるさまざまな手法について、データ解析や制御への利用を想定して数理的観点で整理を試みるとともに各種手法のレビューを行う。またアクチュエータと平衡諸量とを結ぶ実験解析上の簡易モデル構築の方法論についても触れる。
栗原 研一; 川俣 陽一; 秋葉 賢一*; 安達 宏典*; 星 芳幸*; 木村 豊秋
プラズマ・核融合学会誌(CD-ROM), 75(10), 12 Pages, 1999/10
トカマク・プラズマの楕円度や三角形度は、エネルギー閉じ込め性能の決定因子の一つであるなど、その断面位置形状の重要性が近年認識されてきた。一方その全体像の実時間同定は、計算時間の制約から不可能とされていた。障害の原因である特殊関数や逆行列等の計算を実時間処理から除くために、特殊なテーブルを大容量メモリ上に展開しておくというアルゴリズム上の工夫に加え、最新の電子機器を用いて装置を構成した。この結果大幅な時間短縮を実現し断面形状を毎秒15コマの速度で実時間動画化し、着火直後のリミタ配位からダイバータ配位に移行する様子などの映像情報を実時間で提供した。またさらなる高速化改造を実施し、実時間制御へと発展させる予定である。本論文では、JT-60で実稼働中のシステムの開発結果と実時間制御への適用構想について、その動画映像をミルノフ振動を「音声化」した音とともに示しながら報告する。
岡野 文範; 海野 一美*
JAERI-Tech 99-070, p.19 - 0, 1999/09
高性能トカマク開発試験装置(JFT-2M)では、プラズマ放電(約6分周期、持続時間約1秒)に伴い、高エネルギーの逃走電子がリミタ等に衝突してX線が発生する。このX線発生量を管理区域境界において許容線量以下とし、安全管理をより確実なものとする目的で、JFT-2M多チャンネルX線モニターシステムを新たに製作した。本システムは、4台の電離箱型検出器をJFT-2M装置本体の周りに配置し、X線発生量のトロイダル方向分布を把握可能とした。検出器からの出力信号は光変換され、線量計本体を経由して、パーソナルコンピュータでデータ収集・処理される。また、X線発生量が過大となった場合、それを検知してプラズマ放電を安全に停止するインターロック機能も設けた。これにより、X線の発生状況をJFT-2Mのプラズマ制御に素早く反映することができ、より確実に管理区域境界における許容線量を超えないよう管理可能となった。
小川 宏明; 三浦 幸俊; 福本 直之*; 長谷川 浩一; 川島 寿人; 前野 勝樹; 永田 正義*; 仙石 盛夫; 柴田 孝俊; 河西 敏; et al.
Journal of Nuclear Materials, 266-269, p.623 - 628, 1999/00
被引用回数:12 パーセンタイル:66.1(Materials Science, Multidisciplinary)本講演では、JFT-2Mのバッフル板付ダイバータプラズマの特性、ダイバータ板へバイアス電圧を印加した効果及びコンパクトトロイド入射による燃料注入法について発表する。JFT-2Mの閉ダイバータでは、OH加熱時には平均電子密度が2-2.510mからデタッチメントが始まるが、完全デタッチメントには至っていない。またバイアス電圧印加により粒子フローを制御し、バッフル効果及びダイバータ特性を著しく向上させることが明らかとなった。さらに新しい燃料供給法としてコンパクトトロイド入射装置を据付け、11月より実験を開始した。初期的な結果ではOHプラズマへの入射で一周電圧、放射損失の低下及び蓄積エネルギーの速い増加などの良好な入射特性が得られた。
栗原 研一
Fusion Technology, 34(3), p.548 - 552, 1998/11
トカマク型核融合装置における平衡プラズマの制御特性上で最も基本的なプラズマの電流分布を、外部の電磁気計測器だけから同定できるかどうかについては、数値解析上非適切問題となることが知られている。既存の実験データ解析では電流分布を表す関数形をあらかじめ決めておくなどの制約条件を課して非適切性を回避し、プラズマ電流分布を再構築してきた。その逆問題に対して、電磁気計測だけからの原理的な可同定性、精度の良否と必要な計測値、非適切性の回避の仕方等を明確にすることを目的に、解析的解法である「境界付き固有関数展開解法」を考案した。また、可同定性の有無は、ある関数系の独立性と関係していることを示し計算方法を提示した。さらにその方法に基づく逆問題の解法時に発生する非適切性の回避のために、プラズマ内部の制約条件及び大規模な不等式制約条件を導出した。本発表は、これら一連の検討結果の報告である。
JT-60チーム
JAERI-Research 98-039, 155 Pages, 1998/09
ITERの物理R&D及び定常トカマク炉の先進運転に貢献すべく実験を行っているJT-60Uの1997年の成果をレビューする。新たに設けたW字型ダイバータ(排気付)による熱・粒子制御特性の改善、高性能プラズマの長時間維持、負イオン源中性粒子ビーム入射による非誘導電流駆動と高エネルギー粒子効果の研究等の新規性の高い研究開発結果に加えて、これらの成果を支えている主要な物理研究(輸送、安定性、原子/分子過程等)の進展を報告する。さらに、ディスラプション挙動の理解と制御、各種プラズマパラメータの帰還制御の成果を示すとともに、新たに設けた計測機器による研究の広がりについて報告する。
栗原 研一; 川俣 陽一
Proceedings of 17th IEEE/NPSS Symposium Fusion Engineering (SOFE'97), 1, p.799 - 802, 1998/00
DT長時間燃焼を行うトカマク型装置では、高中性子束場中で、プラズマ近傍の高精度磁場測定が要求されている。多くの核融合装置でこれまで用いられてきた「磁場変化率を微小コイルで電圧に変換し時間積分する方式」は、センサーの構造が単純で一旦取り付けた後は保守の必要がなく、また耐放射線性に優れていると予測されるなど、他の方式に比べ有利である。しかし、その信号処理に不可欠な積分器がドリフトするため長時間に亘る高精度計測は困難とされてきている。これを解決する目的で、新型のデジタル積分素子の使用を含む様々なドリフト抑制策を施して、ITERにも適用可能なデジタル積分器を試作開発した。JT-60での試験を含むこれまでの開発ステップの詳細とITERへの適用方法等の検討を行った結果を報告する。
栗原 研一
JAERI-Research 97-084, 21 Pages, 1997/11
トカマク・プラズマの制御特性上で最も基本的なプラズマの電流分布を、外部の電磁気計測器だけから同定できるかどうかについては、数値解析上非適切問題となることが知られている。これまでの実験データ解析では電流分布を表す関数形を予め決めておく等の制約条件を課して非適切性を回避し、プラズマ電流分布の再構築を行ってきた。この逆問題に対して、電磁気計測だけからの原理的な可同定性、精度の良否と必要な計測値、非適切性の回避の仕方、等を明確にすることを目的に、解析的解法である「境界付き固有関数展開解法」を考案した。また、可同定性の有無は、ある関数系の独立性と関係していることを示し計算方法を提示した。さらに非適切性の回避に必要な、プラズマ内部の平衡状態から導かれる制約条件等の算出を行った。本報告書は、これら一連の検討結果を記述する。
栗原 研一; 川俣 陽一
JAERI-Research 97-072, 35 Pages, 1997/10
DT長時間燃焼を行うトカマク型装置では、高中性子束場中で、プラズマ近傍の高精度磁場測定が要求されている。多くの核融合装置でこれまで用いられてきた「磁場変化率を微小コイルで電圧に変換し時間積分する方式」は、センサーの構造が単純で一旦取付けた後は保守の必要がなく、また耐放射線性に優れていると予想されるなど、他の方式に比べ有利である。しかし、その信号処理に不可欠な積分器がドリフトするため長時間に亘る高精度計測は困難とされてきている。これを解決する目的で、新型のデジタル積分素子の使用を含む様々なドリフト抑制策を施して、ITERにも適用可能なデジタル積分器を試作開発した。JT-60での試験を含むこれまでの開発ステップの詳細とITERへの適用方法等の検討を行った結果を報告する。